
技術者の新しいキャリア形成に繋がることを応援したい
中島俊秀さん
中島さんはナレッジバンク設立1年目に入社され、現在は調査員30名ほどを指導されています。ナレッジバンクの調査業務実施者の業務というのは、特許審査の際に、出願の特許性を判断するために必要な文献を検索し、出願と先行文献との対比に関するレポートを作成して、特許庁の審査官に説明する仕事です。専門分野以外の案件を担当することもあるので”広く深い”知識が必要なのですが、”狭く浅い”知識しか持っていない人が多く、一人前になるのに4年はかかるかな、とおっしゃいます。
また、この仕事をするうえで”国語力”はとても重要です。”国語力”というのは、ただ文章を読むのではなく、文献に何が隠されているのかを深く読み解く”読解力”や、審査官への”説明力”を指します。


コミュニケーション能力も必要で、審査官に対して、時には謙虚な姿勢も必要ですので、部下に仕事を指示する立場に長くいたような人は、特にしっかり気持ちを切り替えてきてほしいと話されます。
検索の戦略をたてて、論理式を作成し、文献の調査をするのですが、長年やっている中島さんでも難しいのだとか。それがヒットした時はもちろん嬉しいし、部下がなかなか当てられずに困っていて、自分のアドバイスでヒットした時はさらに嬉しいそうです。
中島さんの口から厳しい言葉がたくさん出てくるのは、研究者として経験を積んできてこれから調査員として活躍できる素質を持った人材を無駄にせず、きちんと一人前に育ててあげなければという責任感から来るものであり、期待の表れのように感じられます。